令和5年度助成先「一般社団法人フリースペース道」

  • 2024年06月24日

1.事業名

 フリースクール運営による不登校児童生徒の居場所支援と多様な学びの保障

2.事業の目的とその背景

 宮城県内で不登校状態にある児童生徒が、学校以外で安心して過ごせる居場所、学びや活動ができるフリースクールとして運営を行う。子どもたちとの活動を通して、自己肯定感を高め、将来へ歩むためのエネルギーを蓄えると共に、様々な体験活動を通して社会的に自立するサポートを行う。

3.事業の内容

①不登校の子どもたちの社会的自立に向けた体験活動プログラム
 外部講師を要請し、月に1回程度のペースで合計10回開催する。
 内容は、農業体験、伝統工芸体験、そば打ち体験、性教育講座、地元のイベントへの出店。

②親の会の定期開催による不登校理解の促進
 宮城県内における、不登校理解の促進と当事者の家族が悩みや不安を共有し、他者とつながりを持つ場をつくることを目的とする。月に1回のペースで合計7回開催した。

③学校・教育委員会との連携強化
 教育委員会等の関係機関と定期的に情報共有・交換会を開催する。また、教員及び教育委員会職員、フリースクール合同の勉強会を開催し、不登校支援の在り方を学ぶ機会を作る。

4.事業実施にあたっての工夫点とその効果

・体験プログラム⇒体験活動後に振り返りを行い、自分自身の活動を客観的にまとめる作業を行った。また、全体験活動終了後、本人と保護者にアンケート調査を行い、子どもたちの社会的自立に向けて有効性のある活動であることをまとめた。アンケート結果より、子どもたちがフリースクール通所を通した心身面の回復や将来の目標設定等に体験活動の経験も大きく寄与していることが分かった。

・親の会⇒初めて親の会に参加した保護者が満足していただきリピーター参加者になるよう、座談会のファシリテーションにおける、話をする人と話を聞く人のバランスや話題振りに留意した。また、学校教員にも参加いただけるよう、大崎市内の小中学校に案内を配布した。その結果、参加者の40%以上がリピーターとなり、当事者の親同士のつながりが広がったことに加え、学校関係者も含めた様々な立場の方々が親の会に参加していただけた。

・行政の各部署の連携が取れるよう、フリースペース道が調整役に徹した。また、不登校対策について共通の目標を立てるための議論を行った。その結果、学校や教育委員会だけでなく、子育て支援課や福祉課等、複数の部署を交えた会議等を行い、その後の支援活動もスムーズに進めることができた。

5.全体的所感、終了しての感想など

 今回の事業を通して、大崎市における不登校理解やフリースクールでの学びの場の理解、官民連携が一層進んだ結果となった。特に、教育委員会・学校とフリースクールの関係性は大きく進み、情報交換会や合同の勉強会を通して、次年度の新たな取り組みに繋げることができた。2024年度はこれらの活動を土台にして、居場所マップを含めた、大崎市内の児童生徒への居場所支援の情報提供、2025年度までに、大崎市における不登校支援のモデルケースを官民合同で完成させていく。これらの成果が、全国に波及していけるよう活動を継続していく。

 

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