令和5年度助成先「NPO法人アートワークショップすんぷちょ」

  • 2024年06月24日

1.事業名

 不登校児童を含む、多様な子どものための居場所支援事業

2.事業の目的とその背景

 引きこもりや、不登校で平日の日中に行き先が無い子どもを対象に、学校や家庭以外の第三の場所として、習い事のように目的や方向性をもたず、気軽に過ごせる場所を設置しました。
 学校という一つの集団生活を選ばない代わりに、「かようはらのまち」で少しずつ、ボランティアスタッフや同じように通う子ども同士で活動する楽しさや、関わり合う大切さを積み重ねることで、安心できる環境の中で社会性を育むことを目的としました。

3.事業の内容

対象:障害の有無問わず、ひきこもり、不登校などの子ども(小学生〜高校生)、乳幼児連れ親子、高齢者等
開催日時:毎週火曜 午前〜午後 10:00-15:30
開催場所:アートシェアスタジオちゃちゃちゃ(仙台市宮城野区原町熊谷ビル5-5-35)
定員:15名 スタッフ3名、ボランティアスタッフ:5〜6名
開催期間:2023年5月〜3月(4月は助成対象外として開催)毎週火曜日 10時半〜15時半
開催回数:47回    *水曜日3回  
参加者のべ合計人数:691人(おとな367人、こども324人) *大人はボランティア含む
参加者1回の平均人数:14人
子ども1回の平均人数:7人
2023年度活動:木工、障子紙アート、料理、夏まつり出店、竹蜻蛉づくり、楽器演奏、釘打ち、バトミントン、カードゲーム、紙版画、炊飯体験
毎回の活動内容はあえてカリキュラムを設けず、スタッフが興味のあることを用意したり、他の団体とコラボすることで人との交流が広がるよう展開しました。

4.事業実施にあたっての工夫点とその効果

 学校に行かない、行けない理由の背景にはさまざまあることが2022年度の事業で分かったため、2023年度も子どもたち1人1人が「かようはらのまちでの過ごし方を自分で決める」ことを大切にしました。そういった雰囲気作りのために、関わる大人も子どもをケアする立場ではなく、同じ空間や時間を共有する「仲間」という意識で、それぞれにやってみたいことに取り組む姿勢で関わり合いました。成果としては、かようはらのまちでさまざまな人との接点を持ち、自分で決めた過ごし方で他人と関わり合うことで自信をつけ、学校への登校数が増える子どももいました。登校の再開が成果の指標ではなく、最終的には子ども一人一人が生き方を選択できる力を身につけることが重要だと考えています。

5.全体的所感、終了しての感想など

毎週火曜日、同じ曜日、同じ時間にいつも開いていること、いつもの人たちがいること、行けば誰かに会える場所であることが、居場所として大切なことだと感じる1年でした。利用する頻度ではなく、心の中のお守りのような場所としてあることで、登校や他の場所へ向かうポジティブな気持ちの醸成に繋がったと感じています。利用する子どもの保護者からの感想は参考資料の巻末に記載しました。

 

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